食品を包むパッケージは、衛生的に中身を保護したり品質を守る性能と機能が求められます。
その為、朋和産業などメーカーでは最適な素材の開発を行い、基本性能と機能性を高めてより良い包装の実現を目指しています。
素材の選定はコストやリサイクル、環境負荷の軽減といった必要条件を併せ持つので、これらを考慮して比較検討が進められます。
プラスチック素材が用途に向く
製造加工の難易度の低さや加工の柔軟性からすると、プラスチック素材が用途に向きます。
袋状に加工したり、フィルム状に薄くすることも可能ですから、使い捨ての弁当箱や納豆の容器、ラッピング類も含めて多用途に活用されています。
酸素の透過や光を嫌う食品については、アルミ素材を使った袋で包装が行われます。
酸化しやすい加工品は、このアルミ製の袋を使うことで酸素を遮断したり遮光することが可能です。
酸素が遮断されると同時に湿気も防げますから、水分による菌の増殖や劣化対策になります。
このように、パッケージメーカーはプラスチックやアルミ素材を使い分けたり組み合わせることで、消費者が安心して手に取れる商品を実現しています。
プラスチックとアルミの組み合わせは、軽量で柔軟性の高いプラスチックの内側に、酸素と光透過性の低いアルミを蒸着する形で作られます。
容器の全面にアルミを使用する必要がないので、素材のコストを抑えることができますし、何より袋状に加工しやすく使い勝手が優れます。
表面にプラスチックを用いる方が意匠性の高い発色性の良い印刷に役立つ
印刷性においては、表面にプラスチックを用いる方が意匠性の高い発色性の良い印刷に役立ちます。
包装用の容器を開発、製造するパッケージメーカーの仕事は、安定供給だけでなく食品メーカーへの提案力、商品開発や企画力も不可欠です。
品質を高めて信頼性を向上させるのも大事なミッションですが、消費者が店頭で見て興味が引かれたり、ターゲット層の心に響く商品開発も重要な役割です。
例えばデザインだとベースカラーの選択や文字の配置、イラストか写真といった選定作業が商品開発の仕事に挙げられます。
また、手に取った時に感じる素材の質感や使い勝手を考慮した形状の設計、保存や処分のしやすさというような項目の検討も必要です。
実際に店頭の陳列棚に並んだ時、消費者からどう見えてどんな印象を与えるか、そこまで考えて開発することになります。
パッケージの質や機能性は、食品ブランドのイメージやメーカーの印象に直結するので、どちらも欠かせない要素です。
質は印刷品質や保護性能といった要素で、機能性は開けやすさや分別のしやすさ、リサイクル性などが当てはまります。
いずれにしても、印刷の発色や鮮明さにばらつきがあったり、不良率の高さや固くて開けにくい、力を入れると逆に裂けて破けるなどはNGです。
パッケージメーカーに求められる要求レベルは高い
棚いっぱいに並べても均質に見えたり、簡単に破けず開ける時は弱い力で開けられることが重要となります。
つまりパッケージメーカーに求められる要求レベルは高く、食品の性質やメーカーによってニーズは違ってくるので、柔軟な対応力も欠かせないといえます。
商品の流通や販売規模にもよりますが、一度製品化が決まって製造に入る商品は、数千数万という数が生産されます。
となると、デザインの変更は難しく失敗は許されないので、事前に食品メーカーとの間で念入りな打ち合わせが行われるわけです。
開発する商品のイメージや購買が想定されるターゲット層、店頭での売出し方といった打ち合わせと、認識を共有する話し合いが必要になります。
そこでパッケージメーカーは現場から声を集めたり、消費行動の把握やニーズのリサーチ結果を分析して、顧客メーカーに提案を行うプランニングに取り組んでいます。
流通から市場のトレンドを読んだり、アンケートも活用して情報収集します。
情報に対するアンテナの張り方や徹底した多角的な分析は、もはや単なる包装資材の製造メーカーのイメージとは異なります。
依頼を受けて依頼通りに製造を行うだけでは、ニーズが目まぐるしく変わる競争の激しい時代だと生き残るのは困難です。
企業規模や体力によって違いますが、比較的規模の大きいメーカーでは商品開発セクションを設けたり専門の担当者を配して、顧客メーカーや消費者のニーズに応えています。
まとめ
中にはブランドを1から立ち上げたり、キャッチコピーやネーミングまで考えるメーカーもあります。
更に、店頭の陳列や消費者に訴求する方法の開発、売り出し方に至るまで関わるケースも存在します。
包装資材メーカーは、今や企画を立案したり商品デザインを手掛けるほどで、マーケティングとデザイン開発を内包しています。
勿論、業務の主軸は製造ですから、自社工場を設置して製版や印刷機械を導入したり、各種の加工設備を駆使して包装資材が作られます。
品質管理も大切な仕事なので、抜き打ち検査やロット管理、トラブル発生時の対応などにも取り組んでいます。
不良品の発生は顧客のメーカーだけでなく、流通に関わる企業や消費者の信頼に影響するので、品質管理の重要度は高く厳格です。
環境保全にも取り組む必要がありますから、包装資材メーカーの仕事は多岐にわたり、便利で安心な包装の裏には日々の地道な努力があるのだと分かります。
最終更新日 2025年6月12日 by livest